戻る


タイトル No.22『ワンダリング・ハント』
物語No 113
語った日 : 2004/07/06(Tue) 13:34
PC名 “詩人”ジョスラン・コルヴジェ(NPC)
「こんばんわ! 久しぶりだね」
扉を開けて、主人とお客さんにご挨拶。ここへ遊びに来るのは、本当に久しぶり。
ゴーバから一番近い街だけど、しょっちゅう通える距離じゃないしね。

だからかな。プレ姐が居るこの店で、
お酒を飲んだり、歌を歌ったり、お客さんの話を訊くのが、何よりの楽しみなんだ。

今夜も賑やかそうだね。
「やあ、ルフィア。悪運はまだ尽きてないようだね」
軽く憎まれ口を叩くのは、去年お世話になった魔術師。
「ご無沙汰だね、フィオナ。“巡る風”の噂はゴーバでも訊いてるよ」
ハーフエルフの狩人も、ベテランの風格が出てきたかな。
こっちの女性二人は初顔だね。
「初めまして。僕はジョスラン。よろしく」
竪琴をさらっと、かき鳴らしてご挨拶。

「暑くなったね。冷たい飲み物ちょうだい」
席について注文しながら、大きくため息。
「最近、景気のいい話ないかなあ。ぱーっと派手に暴れたい気分なんだけどね」
地元じゃ、そういう訳にはいかないけどね。
だから、ここで歌って、憂さを晴らしてるんだけど。

タイトル こっちも憂さ晴らし。
物語No 114
語った日 : 2004/07/11(Sun) 22:33
PC名 マッシモ・フィネイル
こういう気分の時はパーッと打ち上げするに限ると、誰が言い出したかわからないが、(もしかしたら、あたしだったかも)
夢見る街リファールの外れのBARで、あたしは仲間達とエールを酌み交わしていた。こう言う時はエールでしょ、と、店に入るなりあたしがマスターに向かって四人分を注文したのだ。

そう、四人分。
このリファールの街で出会い、なんとなく意気投合して、ちょっとしたパーティを組んだのだ。
出会ったあの日、どういう会話の流れか……女ばかりで冒険するのも一興だとか思ったのか、旨い儲けの話からつながったのか、皆それぞれに自慢する特技があったからなのか。
いっちょ、メジオンの沼地に生息するバケモノからお宝を奪おうという方向性で一致団結した四人である。

金髪の華奢な半妖精は、可憐に見えて実はレンジャーとしてあたしより技量があり、精霊魔法も行使する。名前はフィオナ。
そこにいる、朱い瞳の付き合いづらそうな女はルフィアといって、魔術師だ。
最年少のトリルはレンジャーで、見ての通りのガルガライス人。

やたら個性的な取りそろえの中で、唯一まともな外見をしているあたしは、…そうそう、自己紹介が遅れたけれど、あたしの名前はマッシモ・フィネイル。この後衛ばかりの面子の中で、唯一の前衛、つまり戦士だ。くり返すようだが、普通の外見をしている。
装備も、ハードレザーにブロードソードとまさにスタンダートだし、鎧を外した姿も、きわめて普通だ。

胸の内で自己紹介をしたところで、あたしはエールグラスをみんなに掲げた。
「さ、乾杯しましょ!」

そんなところに、新しい客が来た。
ルフィアやフィオナの知り合いらしい。

>「初めまして。僕はジョスラン。よろしく」

あたしもにっこり微笑んだ。角度はもっとも優雅に見える斜め15度少し小首をかしげぎみ。
「私はマッシモですわ。マッシモ・フィネイル」
こう言う時に発するやわらかな声色に、あたしはとてもとても自身がある。
「弦をつま弾く吟遊詩人さん、こんな素敵な夜に出会えた楽しい偶然を大切にしなくてはいけませんわね」

タイトル 景気のよさそうなお話
物語No 115
語った日 : 2004/07/14(Wed) 03:00
PC名 ”巡る風”のフィオナ
「お元気そうですね、ジョスランさん」

久しぶりにお会いした吟遊詩人の彼は、いつも通り飄々とした雰囲気を振りまいていました。

ゴーバでわたしの噂を聞いたというのは驚きでしたが、考えてみればわたしは西部諸国中を
歩き回って珍しい歌を探し、時には地方の特産品を行商したりもしています。『物好きな冒険者』
としてなら、案外その筋に知られているのかも知れません。

「景気がいいというか、ちょっと派手にお金を使った話ならありますよ」

わたしは苦笑しながら先日の騒動を思い起こしました。

「もう十日くらい前でしょうか…わたし達四人はこの酒場で出会って、ちょうど今のジョスランさんの
ようなことを話していました。なにか手ごろでお金が儲かる冒険がないだろうかって。そうして皆で
頭をひねっていると、ふとトリルさんが『エスノア』と呟いたんです」

どちらかと言うと物静かで、口を開くと独特な話し方をするトリルさん。彼女はわたし同様に野外の
専門家なのですが、いざとなればわたしより鋭く正確な矢を放てることを、初対面で見抜ける人が
どれだけいることでしょうか。

「ご存知かもしれませんがエスノアは食肉植物で、人間一人を丸ごと食べてしまいます。ですが
金属や宝石は消化できないので、お腹の中に財宝が残っていることが多いんです。怪物といっても
植物は植物ですし、それほど危険もありませんから、皆でメジオンに行ってエスノアを狩ろうという
話になりました」

マッシモさんが頼んでくれたエールを一口。ほろ苦く冷たい液体が喉を潤してくれます。

「…ところが、準備に意外と手間がかかったんですよ。なにしろ行き先が湿地帯ですから、泥でも
滑らない靴や水を通さない装備品を揃えたり、付近の村人からエスノアの目撃情報を集めたり…。
どうにかエスノアの生息地を特定し、地図も装備品も準備万端整えたわたし達は、それまでに
かかったお金を計算してみました。すると金貨で数十枚分のお金が消えていたんです。あの時は
さすがに唖然としましたね」

わたしは肩をすくめました。あの時の皆さんの表情は今でも鮮明に思い出せます。
引きつった笑顔を浮かべるマッシモさん、殺気じみた光を瞳にたたえるルフィアさん、無言で目を
ぱちくりするトリルさん…。

「こうなったら意地でも冒険を成功させようと誓いあって、わたし達はメジオンに向かいました。
入念な準備の甲斐あってわたし達は迷うこともなく湿地帯の奥へと進み、エスノアを見つけることが
できました。できたんですが…」

わたしはため息をつき、隣のルフィアさんを見やりました。

「…まさか、あんな目に遭うとは思いませんでしたよね」

タイトル 今だからいえる失敗談
物語No 116
語った日 : 2004/07/15(Thu) 03:54
PC名 “悪運尽きぬ”ルフィア
「久方振り。あぁ、そろそろ尽きてもいいと思うんだが、中々尽きてくれない。俺の“悪運”が関係したとは思えないが、今回も色々大変だった」

久し振りに逢う吟遊詩人はいつもの如く、軽口を叩く。
しばらく世間一般でいう冒険もせず、長旅ばかりをしていたこともあり、誰かが待つ、落ち着ける場所があるというのはいいものだ。
酒場でなければ完璧といえるが、世の中完璧なものなどない。
少しくらい半端ものが丁度いいということにしておこう。

> 「…まさか、あんな目に遭うとは思いませんでしたよね」

今回、ともに冒険をした半妖精のフィオナが話を振って来る。
俺の経験からして半妖精は好奇心が強い傾向にあるが、この娘も違わずといったところだ。
また、やはりというか霊術、弓手としての才能にも溢れる。

「投資金額から考えると本当に頭が痛い。あそこまで執拗に準備しただけあって余裕だと思っていたのが甘かった。勝利を確信したとき最大の隙が生まれるとはよく聞くが、それにまんまと嵌ったとは俺たち実に間抜けだよなぁ」

一攫千金――その言葉に踊らされた者は幾人に挙がるだろうか?
当初、この話が持ち上がったときは軽い興味からだったものが、計画が進むにつれ深みに嵌り出し、気付けば金貨十枚の出費に至っていた。
そして何としてでも取り替えそうと意気込んだ挙句…

「むぅ…」

この話はフリーガードにとっての“美味しい”仕事であったのだ。

と、ため息をついているとマッシモが勝手に頼んだものが振る舞われる。
エール――俺がいうところの毒物。
俺、酒嫌いなんだが………大の付くぐらい。

彼女はどうも掴み切れない。
橙を好む彼女、黒を好む俺――剣を握る彼女、杖を握る俺。
戦士と魔術師はやはり相容れない存在なのだろうか、しかし彼女の戦い振りは見事であった。
彼女なしでは生きて帰れなかったとも思われる。
その点では感謝してるが、このエールどうするんだよ。

「正直アレだけの数のエスノアが出て来るとは…ただでさえあいつら六本触手あるんだぜ? それに比べて俺らは二本。6−2=4、この時点で四本のハンデが生じるってのに、莫迦の一つ憶えみたいにワッサワサ涌いて来やがって。っと、俺、酒嫌いだからお前にやる」

そういって眼前のものを突き付けた相手はトリル。
一見なよなよしてるが、どうしてどうして弓の名手だったりする。
今回は皮肉にもその弓の腕を見せ付けられた形になった。
実際なよなよしてるのは事実だが。

「お前には黙秘する権利がある。お前が話すこと全て、しかるべき場所で証拠として採用される。お前は弁護士を雇う権利がある。しかし、この酒を拒む権利は未来永劫存在しない。あとマスター代わりにミルクよろしく」

(オマエ、コレノム。シークタイムナッシング、ハンロンヨチナシ)

愛情と殺意を籠めてあなたにこの品差し上げます。

「マッシモが薙ぎ、フィオナが唱え、トリルが穿つ。いいコンビネーションだと思ったんだが、いかんせん数が多かった。ありゃ数の暴力って奴だ。後半にもなると血の匂い嗅ぎ付けたハイエナどもも来るし踏んだり蹴ったりで、まぁ何とかこうやってここにいるわけだが…」

ミルクも届いたのでトリルの方に話を預けてチミチミ飲む。

タイトル 投資及び回収
物語No 117
語った日 : 2004/07/18(Sun) 14:31
PC名 トリル
 メジオンで働いた後、紅い梔子亭で飲むことになったトリルと、マッシモ・フィネイルと巡る風のフィオナと悪運尽きぬルフィア。それぞれの口からジョスランに語られる、先日の顛末。
 ジョスランに名乗ったあと、マッシモ・フィネイルが注文したエールが回されてくる。口に含む。
 エールは初めて飲む。苦い。

> 「っと、俺、酒嫌いだからお前にやる」

「そうか」
 目の前に悪運尽きぬルフィアから回されてきた、二杯目のエール。毒を見るのと同じ目つきでエールを見ている。
 エールは苦い。

> 「お前には黙秘する権利がある。お前が話すこと全て、しかるべき場所で証拠として採用される。お前は弁護士を雇う権利がある。しかし、この酒を拒む権利は未来永劫存在しない。あとマスター代わりにミルクよろしく」

「そうか」
 意味がわからないが、とにかく飲めということのようだ。悪運尽きぬルフィアの瞳にそう書いてある。
 二杯目に口をつける。やはり苦い。

 そして続きを語れと悪運尽きぬルフィアに促された。
「悪運尽きぬルフィアもハイエナになにやら唱えていた。いくらかが眠りについたようなので、その隙に倒したエスノアの内部から金品を取り出す作業を主にマッシモ・フィネイルの剣で行った。残りのハイエナやエスノアを巡る風のフィオナとトリルの弓と魔法で牽制し、そのうちのいくらかは倒した。しかし敵はますます多くなるし、気力と矢の残りも少なくなったので、適当な頃合いで引き上げた」
 ずいぶん多くの数を相手取ることになった。
「エスノアの中からは投資した分以上は回収したが、儲かった、と言うには少ない額の金品を入手した。額面を四で割って余りはここで飲もう、と言う事になった」
 当てが外れた、と嘆いたのは誰だったか。
「フリーガードならば先の投資はする必要がないので、あの額が入れば『儲かった』と言うに値するのだろう」
 湿地での活動に必要なさまざまな道具類。フリーガードならばすでに装備しているものと思われる。

「ひっ…」
 ところで。
「悪運尽きぬルフィア、確かにエールは毒と称するに値する…が、そもそも人の体の外にあるものは全て異物である…ひっ…例えば水。飲みすぎると腹を下すし、吸い込めば溺れる」
 悪運尽きぬルフィアは毒を見るようにエールを見ていた。

「どんなものでも人の体に異常をもたらすという意味では毒なのです…ひっ…食べ物も例外ではないです」
 モノによって差別するのはよくないです…。
「むしろ毒物を摂取して外敵から身を守る生物も存在するのです…ひっ…そういうことからすると、悪運尽きぬルフィアはむしろエールを飲むべきなのです…それが身を守ることにつながるかもしれないです」
 トリルの体もエールという異物を取り込んで、いささか異常です…。
 …ジョスランとプレッツェルの視線が、いささか厳しげです…。
「それにしても…ひっ…どらごんの卵はメジオンにもなかったです。どこを探せばいいのか…師匠に持って帰らなくては…」
 メジオンにも手がかりはないです。先は長そうです…ひっ。

タイトル 一攫千金の夢を見よう
物語No 118
語った日 : 2004/07/20(Tue) 23:00
PC名 “詩人”ジョスラン・コルヴジェ(NPC)
呂律が怪しくなってきたトリル。
エールを押しつけたルフィアに向かって、しゃくり上げながら奇妙な理屈を展開し始めた。
彼女もお酒に弱いタイプみたいだ。
「へーえ、どらごんの卵を探してるんだ! 手に入ったら僕にも見せてね」
けっこう、本気なんだけど。

それにしても…
「エスノアの大群かあ…あんま考えたくないなあ」
想像してぞっとする。仲間から前線に立つなって言われてた僕が、もし囲まれたらと思うと…ね。

ま、手軽に稼げる話はごろごろあるけど、たいていウラがある。
楽な仕事なんてないのは、冒険者だって一緒。
今回はみんな、元手分は回収できたんだろうけど、稼ぎは芳しくなかったみたい。

「それでも、エスノアの大群を退けて生還できたんだ、たいしたものじゃない!」
竪琴をもう一度かき鳴らして。

「ルフィア、そのミルクは僕が奢るよ。マッシモもフィオナも好きなの、頼んで」
トリルは…止めた方がいいかもね。

「今夜は、4人の勇者の帰還をお祝いしよう」
再び竪琴をかき鳴らして、陽気な旋律を奏で始めた。

僕達には、次がある。そういうことさ。