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投稿時間:2002/11/09(Sat) 01:57
投稿者名:GM
Eメール:lints@mb.infoweb.ne.jp
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ことの顛末 その2(PC書き込みは出来ません)
領主や司祭と共に冒険者達が村に残っている間、テムレンとアルゴに対する調べが進んでいた。
何を聞かれても無言を通すテムレンに比べ、アルゴはあっさり喋った。
「全部アーから聞いた話よ。信じる信じないは、あんた達の勝手だかんね」

アーガットの両親の形見のメダル。そこに刻まれた模様は、神殿地下室の壁に描かれたものと同じだった。
縛られたまま、あごをしゃくるようにメダルを示したアルゴ。
「20年以上前、ラムリアースにカーディスを狂信する教団があったんだって。その教団の印だってさ」

「リアミみたいな小さな村を襲って、村人を虐殺しようと企んでたみたい。イカレてるわよね。
リアミにケーゼっておばさん、いるでしょ? あのおばさんが現役のころの話よ。もしかしたら、ある程度知ってるかもね」
「結局、企みは達成できなかったんだって。冒険者や騎士団の手で壊滅したって話よ。その時、教祖や幹部連中や信者はそろって死んだらしいけどね」

「でも、生き延びたヤツもいる…それが、アーの両親だったの」

「といっても、アーの両親は、ホントの両親じゃなかったんだってさ。
逃げ出した二人は、各地を点々と流れてた。その際、赤ん坊連れの方が怪しまれないからって、スラムかどこかで攫ったんだって」
「攫われた子供が、アーだったって訳」

「彼らはいつでも死ぬ気はあったらしいけど、達成できなかった教祖の企みをどこかで晴らそうとしてたって。
で、15年前ラバンに流れて来た時、たまたまサイベルのお父さんと知り合って−−−後は、みんなの知るとおりよ」

飽きたおもちゃを捨てるような乱暴な口調で、アルゴは話す。

ルリオン“夫妻”はごく普通の、気のいい隣人の皮を被り続けた。何より、街から赴任する神官や元冒険者であるケーゼの存在がそうさせた。
自分達の正体を、決して気取られてはならない。
半面、家ではアーガットにカーディスを信望するようしつけ、決して外へ漏らさず機会を伺い…5年前、リアミに“毒麦”が発生した。

農民でなければ知ることのないもの。初めて“毒麦”を知った彼らは狂喜したという。
これこそカーディス神の思し召し、今こそ教祖の無念を晴らる時だと。
しかし、ここで誤算が生じた。生贄にと目を付けていたサイベルに、アーガットは心を寄せていたのだから。

「結局、アーは村の危機を救ったんだけどね。でもそのことがカーディスの声を聞くきっかけになったってのも皮肉だと思わない?」
そう言って、アルゴは鼻でフンと笑った。

ライ司祭を実質手に掛けたのは、テムレンだとアルゴは言う。
「赴任したばかりの時は、一応協力したらしいわ。そうしないと、村人達の中へ入ってけないもん。で、噂のことで一段落した後に、テムレンがサクッと、ね」
「司祭さん、アーのことを薄々怪しんでたみたい。まあ、どっちにしても、最初から殺して生贄にする予定だったしね。
彼を殺した後、アーはライ司祭の書き付けを処分した。まあ、アーやあたし達のことを怪しんでたのは確かね。ヴァイツ司祭へ手紙出そうとしてたし」
そう言って、無邪気に肩をすくめた。