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投稿時間:2002/09/23(Mon) 22:39
投稿者名:GM
Eメール:lints@mb.infoweb.ne.jp
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タイトル:
『さえずるひばり』亭(リールモントフ)
神殿を出て、『さえずるひばり亭』の扉を開くリールモントフ。
「いらっしゃい」
カウンターにはでっぷり太った女将さんが、愛想のいい笑顔を向けた。
昼時を過ぎ、夕時にはまだ早い、そのためか、酒場には客が一人しか居なかった。
赤毛を頭の上でまとめた、ハーフエルフの少女。
アクセサリーを身体中にまとい、へそが見える大胆な様相の彼女は、つまらなさそうに酒を飲んでいた。
リールモントフにちらっと視線を寄越しただけで、グラスを傾け続けている。
女将さんは
「お若いの、お泊まりかい?」
と話しかける。部屋は二階になると言う。

投稿時間:2002/09/24(Tue) 00:01
投稿者名:リールモントフ
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タイトル:
女将さん
「収穫祭まで泊まります。お金は先に払っておきますね♪」
恰幅のいい女将さんに笑顔を向けて、店内をさらっと見渡す。
おや、ハーフエルフの女の子だ。珍しいな。旅で来たのかな。ちょっと可愛いかも。
あとで声をかけてみよう。
手をひらひら、と振って、また女将さんに顔を向ける。
「ご覧のとおり、ちょっと早く着いてしまって。一日中ぼんやりしてるのも暇なので、できたら収穫祭のお手伝いをしたいな、なんて思ってるんです。といっても余所者の身、何ができるかわかりませんけれども」
さりげなく頭のターバンをくるくる、と取ってみる。
外の空気が耳に気持ちいい。……ちょっと蒸れてたかも。
「力仕事はてんでダメですが、身軽さと手先の器用さが身上です。どこか人手が足りないとか、何か困ってる方とかいらっしゃったら、ご紹介くださいませんか? 旅人の気楽さで、お力になれることがあるかもしれません」
パンを作るそうだから、脱穀とか手伝えたら面白そうですね。それから、旅人も来るようなら、酒場も人手が必要かな。……酒場で働けたら、馬車で来る皆との接触もしやすいかも。

と、実際に働けるかはともかく、もう一つやらなきゃいけないことがあった。
「あの……もし、失礼なことだったら申し訳ないんですけれど、収穫祭に、何かあるんでしょうか。……ちょっと妙な雰囲気を感じました。魔物? ……か何か、村にいるというのを、ちらりと耳にしましたけれども。おめでたいお祭りに、ふさわしくないような何かが」
口に手を当てて、声を少しひそめて、聞いてみる。魔女、という言葉は直接には出さない。

投稿時間:2002/09/24(Tue) 23:31
投稿者名:GM
Eメール:lints@mb.infoweb.ne.jp
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ひそひそ話
>「一日中ぼんやりしてるのも暇なので、できたら収穫祭のお手伝いをしたいな、なんて思ってるんです。」

ターバンをとったリールモントフの顔と親切な申し出に、女将はしげしげと見つめ返す。
「へーえ、あんた、親切なんだねえ。同じエルフでも、テムレンとはえらい違いだねえー」
感じ入ったような口調の女将は、
「いいよ、気をつかわなくって。客は客らしくのんびりしてな」
前金を受け取ると、ケラケラ笑いながら軽くあしらった。
「どうしても、って言うなら…あんた、楽器弾けるかい?
だったら、アルゴちゃんの踊りが映えるんだけどね。客も大喜びだよー」
アルゴ、というのは、くだんのハーフエルフの少女のことみたいだ。
「ヘタっぴはお断りだよー」
女将の言葉に、はすっぱな口調で少女…アルゴが返した。

午後の暇な時間の陽気なやり取りだったが、リールモントフの次の言葉に凍り付いた。
女将はカウンターごしにリールモントフを腕ごとぐいっと引き込む。
そして、その長い耳に
「ちょっと、誰に聞いたの? ラバンでそんな噂がたってるっての?」
つかみかかるように囁いた。

そんな二人に意を介さず、アルゴは相変わらず、酒を飲んでいる…

投稿時間:2002/09/25(Wed) 02:37
投稿者名:リールモントフ
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踊り子…
アルゴちゃんかぁ。ふふふ。
おっといけない。つい視線が行ってしまう。ニヤけてないといいけど。
村にはもう一人エルフがいるらしい。テムレン、なるほどね。アルゴちゃんの血縁者か何かかな? エルフもハーフエルフもいる村って、ちょっと珍しいですね。そんなに偏見は強くないのかな? とすると、サイベルさんが魔女扱いされてるのはよくよくのことなのかもしれませんね。
 ……でもこんな夕方から一人でお酒を飲んでるのも、少し気になりますね。

>「ちょっと、誰に聞いたの? ラバンでそんな噂がたってるっての?」
「ラバンじゃないですよ」
これは嘘ではない。
「さっき、村長さんに挨拶しようと思って、神殿まで行ってきたんですね。そしたら、随分深刻なお話をされてたみたいで、怒られてしまいました。その時にね、チラリと聞こえたものですから。
 これでもあちこち旅してますから、少々のことじゃ動じません。で、ちょっと興味がわいたってわけです。……お祭りも楽しみたいですからね」
魔物、とか魔女、という言葉は、それ自体にするどいトゲがあるのかもしれない。とすれば、この辺はなるべくぼやかしておいたほうがいいだろう。

「あ、あと音楽ですが、昔ちょっと手慰みにやったことがあります。……何か楽器ありますか?」
……昔も昔、大昔ですけどね。
まだ森にいたころですから、120、30年くらい前になりますか。もう何もかも忘れてしまいましたけれど。
アルゴちゃんのためとあらば。

投稿時間:2002/09/26(Thu) 01:19
投稿者名:GM
Eメール:lints@mb.infoweb.ne.jp
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来客(リールモントフ、ラクシェス)
>「さっき、村長さんに挨拶しようと思って、神殿まで行ってきたんですね。そしたら、随分深刻なお話をされてたみたいで、怒られてしまいました。その時にね、チラリと聞こえたものですから。
>これでもあちこち旅してますから、少々のことじゃ動じません。で、ちょっと興味がわいたってわけです。……お祭りも楽しみたいですからね」

リールモントフの言葉に、わずかに力を緩める女将。
「間の悪いもん見ちまったねえ」
やれやれ、と肩をすくめながら
「中途半端な興味は引っ込めといた方がいいよ。祭りを楽しみたいならね」
釘を刺した。

そこへ、ラクシェスが入って来た。さらに村人らしい男達も4,5人連れだって来る。
「女将、酒をくれ酒」
「つまみもなー」
男達は席に着きながら、いつものメニューを頼む。気の滅入る話を酒で流そうとしているのだろうか。
女将も注文を受け、キッチンに入っていった。

「アールゴちゃん、また踊ってくれよ。ムディール仕込みってのをよう」
男の一人が、アルゴに声をかける。しかし
「今は気が乗ってないから後でねー」
しれっと答えて、アルゴはグラスを傾け続けた。

投稿時間:2002/09/27(Fri) 03:26
投稿者名:リールモントフ
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様子見
>「中途半端な興味は引っ込めといた方がいいよ。祭りを楽しみたいならね」
「……中途半端……ってわけでもないんですけれどね」
ぽつりと呟いた時、表のほうでがやがやと声がして、村の男達が入ってきた。
……ありゃ? ラシェも一緒だ。セバス達と一緒じゃないのかな?
男達は席についてめいめい注文を始める。

さて困った。
どうも村の外から来た者には、魔女について口を閉ざすみたいだ。
噂が広がらないように、ということなのかもしれないけど、これじゃ原因の究明はむずかしい。
ともかく、火元をおさえなければ。……村長殿とその周辺なのかな?
サイベルさんに同情的な人と接触をはかること、村人の人間関係を把握すること、この辺を目標にしようか。

ラシェの隣に座る。「村の方ですか?」偶然を装って声をかけ、酒の席に加わる。
村人達は、どんな話をするのだろうか。すこし様子を見てみよう。

>「アールゴちゃん、また踊ってくれよ。ムディール仕込みってのをよう」
……ムディール仕込み。
この村の出身じゃないんだ。ということは、サイベルさんとは接触がないのかな?
案外、友達同士で、今回の魔女騒動でヤケ酒……という線も考えていたのだけれど。
この辺から突っ込んでみようかな。
「彼女は、この村の出身じゃないんですか」
そばにいた男に聞いてみる。
なんか個人的興味とごちゃまぜになってるのは気のせい、としておきましょう。

投稿時間:2002/09/27(Fri) 22:37
投稿者名:GM
Eメール:lints@mb.infoweb.ne.jp
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タイトル:
酒の席
>「彼女は、この村の出身じゃないんですか」

リールモントフの問いかけに、
「お、あんたエルフだったのかい」
「さっきは悪かったな、まあ飲めよ」
「アーガットの連れより話が出来そうだな」
エルフに対する物珍しさも手伝い、酒のせいで口が軽くなった村の者達。
「彼女もあんたと同じ旅人だってさ。ちょっと前に村に来たよ」
村人の説明に
「祭り目当てできたのに、なーんにも無いんだもん。アテが外れたっての」
皮肉っぽいアルゴの口調にも、村人達はにやにやしながら聞き流す。

さらにいろいろ聞き出そうとするリールモントフ。村長のことになると、とたんに話が弾みだした。
曰く、人は良さそうな風体だが、ああみえてごうつくばり。
曰く、役人や監査役に取り入って、抜け目無く税金の上前をはねている。
雑貨屋の主人は村長の息子で、彼と、村のごく一部の連中は村長の言いなり。
何かと裏で画策して村人に睨みを効かせ、その見返りに村長から金を貰ってる。

ほとんどは愚痴というか、悪口を言うか。あまり良い噂は出ない。
「そういや、村長、ケーゼ先生んとこに夜這いに行って、叩き返されたことがあったなあ」
「そうそう、夜中にすごい悲鳴が上がって、何事かと思ったら」
「箒で広場中追いかけ回されてやんの。あん時は傑作だったさ!」
わっと笑い声があがった。

アーガットについては、5年前に両親が亡くなって後、冒険者として旅立ったと言う。
「弱そうな少年だったのに、大剣背負ってエルフと一緒に戻って来たときは、本当にびっくりしたよなあ…」
「しかも、領主様の依頼で村の騒ぎを静めに来たとはねえ…」
「出世したもんだ。これなら、あのサイベルも今度は一緒に着いて行くだろうよ」
「魔女も大人しく、出ていってくれれば…」
そこまで言って、誰かが「しっ!」と鋭く息を付いた。

陽気な酒の席が、とたんに口が重くなった。

「こんな騒ぎになるとはなあ…」
一様にため息をつく。そして、歯の奥に、ものが挟まったような言い方。

魔女さえ…サイベルさえいなければ、もっと平穏な生活が出来たのに。

彼らにとって、サイベルが魔女であろうがなかろうが関係ないようだ。
とりあえず、早くやっかい払いを終わらせたい、という思いが見え隠れした。

投稿時間:2002/09/29(Sun) 00:40
投稿者名:ラクシェス=アイレスバロウ
Eメール:hinabe@excite.co.jp
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色んな事情
「こんにちは、かーさん」宿に入ったおれは、宿の主人とおぼしきガシッとした女性に声をかける。先行していた仲間のエルフ・リールの姿を認めたので、元気な声で喋り、リールにも聞こえるように現状の説明をしがてら、挨拶をしておこうというわけだ。
「連れ一人と暫くご厄介になりたいんだけど、良いですか? あのさ、もう二人、別の旦那方がきそうなんだ。今は村長さんちに行ってるみたいなんだけど。。。それでも部屋に余裕はありますか? ま、なんだったら、泊まれそうなところを紹介してください」おれは、祭りの間滞在することを伝え、軽く作り話の事情を説明しておく。
「おれはラクシェス。で、連れはオリヴィっていいます。どうぞよろしくお願いします」

>「村の方ですか?」
 とりあえず腰掛けたところで、リールから声がかかった。
「ううん、ちがうよ。こちらのかーさんには話したんだけど、道に迷って師匠とはぐれたんで、祭りの間はこの村で待ちつつごやっかいになるつもり。
 おれ、ラクシェスっての。あんたは……祭り見物? うん、いよいよって感じだね。厳かな雰囲気で、村のひとたちが小麦を挽きに行ったところに居合わせたんだ。興味あったら、後でおれの連れのオリヴィって奴に聞けばいいよ。あいつ、興味津々って感じで水車小屋に見物に行ってんだ」と、状況をさらっと説明しておいた。

>「……なーんにも無いんだもん。アテが外れたっての」
「あんた、お祭りにいらした司祭・アーガットさんのお連れ?」リールとの確認を図りつつ、アールゴちゃんにキョロっと目を遣り、
「ふーん。ま、そうだろね。でもま、なんにもないなら作ればいいさ。ちょっとぐらい元気出してもバチは当たらないだろっ。お祭り騒ぎ始めるんなら加勢するぜっ」と挨拶しておく。

>「こんな騒ぎになるとはなあ…」
 元気のない村人たち。どうも、サイベルが出て行けば万事丸く納まる。という流言から離れられないみたいだね。……別の方向に落とす。というはけ口もないんだろうか? 確かに、焼け跡をほったらかしにしておくっていうのも、利いてるのかな? だとしたら、あえてそのまま放置しているのは誰だろう?
「まーまー、ダンナ方、沈んでないで、陽気に騒ごうぜっ」おれはリールに、場に加わるかどうか目配せし、プロミジー土産の干し肉をちょいと出しつつ、お酒の追加を頼んで振る舞う。どうせ細かい演技はできないんだ。豪気な狩人を地でやるとする。
「おれの仕留めた獲物なんだ。遠慮無く食ってよ。
 ──で、折角のお祭りなんだろ? それにさ、魔物だかなんだか知らないけど、いよいよってなれば、屋根の礼だ。おれたち猟人兄弟がなんとかしてやるって。この銀の矢があれば、怪しい空気ごとたちどころに退散だぜっ」銀の矢を誇らしげに見せて、情報の引き出しを作る試みをしておく。

 あとは、ケーゼんちに行くつもり。部屋をとれたら、神様にお祈りして早速出かけよう。
 ケーゼについては、ちょっと慎重になっとかなきゃね。サイベルとの関係なんだけど、彼女の味方かどうか、信用するにはまだ早いって思ってるんだ。毒って言えば、薬も毒になる。薬師が疑われてもおかしくないのに、そうならないのはサイベルのおかげ──かもしれない。おれとしては、ほんとはケーゼがサイベルの味方であって欲しいんだけど、確認しておきたかったわけ。
 こんな状況なら、村人たちの言にもある通りっていうのは何だけど『サイベルを孤立無援の状態で放っておくより、都に住まわせたほうが良い』ような気もするんだよね(村の人たちも、そんな風に、気を使っているのかも)。でも、そうはしないのは何故か?
『丘の上の焼け跡を、何で放っておくのか?』サイベルのことを皆に意識させることになるんじゃないか? そんなことを、ケーゼに聞いておきたかったのだ。

投稿時間:2002/09/29(Sun) 10:31
投稿者名:リールモントフ
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タイトル:
飲む
>「まーまー、ダンナ方、沈んでないで、陽気に騒ごうぜっ」
サイベルの名が出て場が沈んだところに、ラシェの明るい声が響く。
「そーですよー、ヤな気分なんて、パパパン! と吹き飛ばしちゃいましょー!」
杯をあげる。
自然災害や村の不幸を、一人の弱い人間に背負い込ませているような村人たちの態度は疑問ですが、きっと彼らも引け目を感じているんでしょうね……
まずは陽気に騒ぐこと。心がふさいでちゃ、考えも後ろ向きになるってもんです。
ラシェの目配せに、軽くうなずいてこの場に残る意思を伝える。
アルゴちゃんがちょっと気になるので。
彼女も、もしかしたらご同業かな? という気がしますから。

投稿時間:2002/09/29(Sun) 11:16
投稿者名:GM
Eメール:lints@mb.infoweb.ne.jp
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増える客(リールモントフ)
空き部屋を尋ねるラクシェスに
「ああ、4人泊まりの大部屋があるさ。そこのエルフのお兄さんと同室になっちまうけど、いいかい?」
個室もあるが、料金は高くなるという。
「二人でワリカンにして、一人はベッド、一人はソファに寝ればいいさ」
女将はそう付け加えた。

>「あんた、お祭りにいらした司祭・アーガットさんのお連れ?」
ラクシェスの質問に
「違うわ、一人よ。お祭りがあるって噂をラバンで聞いて来てみたんだけど、地味でがっかりって感じ」
アルゴはつまらなさそうにため息をつく。しかし、アーガットの話しになると
「あの司祭様でしょ? 黒髪でいい男よねえ。ああ見えて剣の腕も立つんですって。」
ちょっとうっとりした、遠くを見る目つきになった。

>「ふーん。ま、そうだろね。でもま、なんにもないなら作ればいいさ。ちょっとぐらい元気出してもバチは当たらないだろっ。お祭り騒ぎ始めるんなら加勢するぜっ」

「ふん、お気楽だね」
ラクシェスの物言いに鼻で笑うと、
「ちょっと寝るわ。踊るのはその後ね」
と、アルゴは席を立ち、女将に金を払うと二階へ上がって行った。

席を移り、リールモントフと一緒に飲んでいた村人達に混ざるラクシェス。
「おお、ありがとうよ、兄ちゃん」
「こりゃ珍しい、美味そうだな」
珍しい干物と酒、そして二人のはやし立てに再び場は明るくなった。

そこへ、さらに村の男達や女達がどやどやと入ってきた。
そろそろ日が落ちる。みんなで騒いで憂さを晴らす時間が近づいたのだ。

投稿時間:2002/09/30(Mon) 19:24
投稿者名:ラクシェス=アイレスバロウ
Eメール:hinabe@excite.co.jp
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ケーゼんちに移動
「気楽なのがおれのセールス・ポイントなんだ。じゃ、楽しみにしてるよ」階段を上がっていくアルゴに言葉を返しておく。

「じゃ、みんな、あとでね」リールは残るみたいなのでこの場は任せて、おれは適当なところで切り上げることにした。

「うん、大部屋でよろしく」おかみさんに答え、言われた部屋に向かう。