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投稿時間:2002/09/19(Thu) 00:18
投稿者名:GM
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リアミ村到着(リールモントフ)
馬車組から先行すること一時間。あらかた刈られた麦畑の中を歩き続けると、やがて小さな村が見えてきた。
目的のリアミ村に到着したようだ。

村に入ってすぐ、広場に出た。広場の中央には大きな樫の大木があり、根元には石造りの泉が沸いている。
広場の奥には神殿がある。簡素ながら石造りの塀に囲まれたものだ。
扉は開かれており、出入りは自由に出来るらしい。

村の家並みは、広場をぐるっと巡る形で建てられていた。その中に村長宅らしき立派な家がある。
村長の家の隣に一回り小さな小屋があり、花や供物がお供えされている。
他には雑貨屋が一軒、酒場も一軒。酒場にはひばりを模した看板が下がっている。
どこからか、リズミカルに鉄を打ち付ける音が聞こえる。農具専門の鍛冶屋もあるのだろう。
西側には川が流れており、その脇に据えられた水車小屋の水車がカタン、コトンと回っている。
東側は小高い丘。その上に、焼けて崩れたままの家が放置されていた。

村の建物は、リボンや花で飾り付けがされていた。
鎖状の飾り物が家と家の間に渡され、祭りを目前に控えていることをいやでも悟ることができる。
飾り付けをしていた村人達は、不意に現れた旅人を遠目に見て、なにやらひそひそ話している。
子供達も、何やらわくわくした目つきで家の物陰から見つめていた。

投稿時間:2002/09/19(Thu) 17:05
投稿者名:リールモントフ
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ファースト・コンタクト
リアミ村は祭りの前のよそおい……。もう少し賑やかなのかと思ったら、そうでもないようですね。男の人たちは、どこかに行っている様子。魔女の処遇を決めるために、村長宅か神殿で会議……かな。まぁそれはともかく。
村人達に軽く会釈なんぞしつつ、優しそうなご婦人に声をかけてみる。
「あのう……失礼します。この村で、ちょっと珍しい収穫祭がおこなわれるって聞いてやってきたんですけれども。……なんだか早く着きすぎてしまったみたいですね。村長殿へのご挨拶と、宿をとりたいんですけれど、どこへ行ったらいいでしょう?」
驚かせないように、ゆっくり、やわらかく、物腰は低く丁寧に。見知らぬものには、たいてい警戒感を抱くものですから、まずはそれを取り除かねばなりません。

投稿時間:2002/09/19(Thu) 23:36
投稿者名:GM
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ご案内
>「あのう……失礼します。この村で、ちょっと珍しい収穫祭がおこなわれるって聞いてやってきたんですけれども。……なんだか早く着きすぎてしまったみたいですね。村長殿へのご挨拶と、宿をとりたいんですけれど、どこへ行ったらいいでしょう?」

リールモントフの丁寧な挨拶に、女達は警戒心を解く。もとより、エルフ(正体がばれている訳ではないが)の美形がおばちゃん達の心を引きつけた。

「ああ、お祭りのパンを食べにきたんかね」
「遠いとこからよく来たねえ」

と、すぐさま陽気な返事が返ってきた。

「宿屋ならそこの『さえずるひばり』亭に行きな」
一人が指さしたのは、ひばりの看板が掛かっている酒場。二階が宿屋になってるそうだ。
「村長にあいさつ? 馬鹿丁寧な旅人だねえ」
一人がはやし立てると、回りにいた女達がわっと笑った。
「別にんなことしなくたっていいよ。どうしてもってなら、そこの神殿に行きな」
「今、寄り合いでみんなそこに集まってるからさ」
みんな、というのは、村の男達のことだろう。

投稿時間:2002/09/20(Fri) 18:47
投稿者名:リールモントフ
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神殿へ
おばちゃんたちは親切に教えてくれた。「さえずるひばり」亭。賑やかそうな名前だ。
男達は神殿…。村中で秘密の話し合いをしているのでもなさそうだし、ちょっと行ってみようか。
「ご親切にありがとうございます〜♪ 旅の汚れを落としたら、ぶらぶらっとまた来ますね〜。よろしく〜」
 おばちゃんたちとしばし雑談を交わして(麦のこととか子供のこととか)、神殿へ向かう。寄り合い……何を話しているんだろう? 扉が開いてるのなら、あんまり突飛なことをしなければ大丈夫だろう。

投稿時間:2002/09/21(Sat) 01:22
投稿者名:GM
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相談事
おばちゃん達と軽く世間話を交わした後、開かれた神殿の扉の中を覗き込むリールモントフ。
そこはは礼拝堂になっていた。石造りの広間は、窓からの日射しがあるものの、どこか薄暗い空間。
ひんやりした空気のその中で、2,30人ほどの男達が椅子に着いている。
正面には一人の若者。黒髪を肩まで流し、首から聖印らしきものを下げている。神官か司祭なのだろう。
「ですから、彼女が拾った麦で、パンを作って食べましょう。
その結果、何も起こらなければ、明日の刈り入れにも、明後日の祭りにも参加させましょうよ」
神官の声は優しく男達を諭す。
不穏なざわめきの中、
「厄災が起こらないという保証はどこにあるんだ?」
「魔女に麦を触られちゃ、何があるか…」
露骨に不満を現す村人達。

しかし神官は負けずに畳みかけた。
「それを試すために、僕が提案したんじゃないですか。
皆さんが、神殿の神聖な麦に触られるのが嫌だというから、ケーゼさんの畑で落ち穂を拾ってもらってるんですよ?
実際に目の前でパンを作って、それで何もなければ、彼女が魔女でないという証拠になります。
皆さんも、それで充分納得できるはずです。いつまでも、不穏な噂に振り回されるのは嫌でしょう?」
神官の優しい声色の中には、一歩も引かない力強さがあった。村人達はざわざわと囁いている…。

投稿時間:2002/09/22(Sun) 01:07
投稿者名:リールモントフ
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入っちゃえ
村の広場の陽気なおばちゃんたちとは打って変わって、ここは薄暗い雰囲気の場所。正面にいる黒い髪の人が、アントニー卿から派遣された司祭殿かな。
うん、悪い人じゃなさそうだ……って当たり前か。
魔女の噂は、村人達の心に、ずいぶんな動揺を与えてるみたいだ。でも、村八分って状況なのかな。吊るし上げて火あぶりにしようってんじゃなさそう。

>皆さんも、それで充分納得できるはずです。いつまでも、不穏な噂に振り回されるのは嫌でしょう?」
司祭殿の言葉に、具体的な反対の言葉もなく、男達はざわめく。……そう、これは理屈ではなく、きっと感情の問題。具体的な憎しみとかではなくて……きっと嫌悪感。
おっと、いつまでもぼうっと突っ立ってる訳にも行かない。心を引き締める。盗賊の掟、見た目は無害であれ。

「こんにちは〜」
何気ない素振りで神殿の中に入って、ぺこりと一礼。司祭殿のほうを向いて、もう一度軽く礼をする。
「収穫祭があると聞いて、やってきたんですけれども、……何だか少し早く着きすぎてしまったみたいで。あ、私リールモントフといいます。せっかくなので、村長殿に、一言ご挨拶を、と思いまして。……みなさん、こちらだと伺ったものですから」
あ、……アルバートさんの言うみたいに、お酒の一つでも持ってくるんだったな。
いきなり入ってきて、呆気にとられてないといいけど。

投稿時間:2002/09/22(Sun) 12:14
投稿者名:GM
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招かれざる客
突然響く、リールモントフの声。驚いた村人達は一斉に振り返った。
突き刺さるような視線に晒されるリール。
まるで、触れてはいけないものに触れてしまったような、ひどく咎められた雰囲気。

「あ、ああ…ようこそ、いらっしゃい」
取り繕うような声で立ち上がったのは、白髪の老人。彼はツェリペと名乗り、村長だと言った。
「リールモントフさんとやら。みての通り、今は取り込み中でな。出ていってもらえないか?」
口調はあくまで柔らかく、しかし明らかに『お前は邪魔だ』の意思表示。

「申し訳ありません、旅の方」
村長をフォローするように、神官が挨拶をする。
「僕はアーガット・ルリオン。御(おん)女神の慈悲を賜る者です。寄り合いはじきに終わります。お話はその後でゆっくりお伺いします」
こちらは心の籠もった挨拶だと、リールモントフには分かった。

アーガットが挨拶をする間も、村人達のひそひそ声は収まらなかった。
特に、村長の座っていた席の周囲にいる2,3人が、いまいましげに神官…アーガットを睨み付けていた…。

投稿時間:2002/09/23(Mon) 01:33
投稿者名:リールモントフ
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退出
ははは。雰囲気悪……。刺すような視線を受けて思わずたじろぎそうになる。
話し合いの途中に闖入したので、当然といえば当然かな。ここでターバン取ったりしたら、また余計な動揺を与えてしまいそうだ。
「お取り込み中申し訳ありませんでした。……宿に行って旅の埃を落としてきますね。村長殿にはまた後ほど伺います〜。では、失礼します……」
またペコリと一礼して退出する。口調は明るく、やわらかくなるように心がける。その間に、アーガットさんに不満のありそうな人たちの顔を、何気なく見て覚えておく。
……感情の問題、ではなく、何か具体的な欲が絡んでいるのかな? 噂には必ず、火元がある。村長の一派がそうだとしたら……。村のまとめ役が焼死した事件の犯人が彼らだとしたら……。冒険者になった片割れが、実はアーガットさんとか。
まぁ、余計な詮索はやめておきましょう。
「お祭り好きなものですから。楽しみにしています♪」
くるりと後ろを向くと、『さえずるひばり亭』へと足を向けた。