BACK TOP NEXT→








耳袋6」でご自身の体験を寄せてくださったHNかっぱまきさんが
引き続き体験談をお送りくださいました。ありがとうございます。
このページの「私」は全てかっぱまきさんのことです。


50.匂いと臭いの話し

十数年前の初夏、早朝、離れのニ階にある私の部屋に、線香の匂いが充満していた。
仏壇のある部屋は一階である上に、線香を焚くのは夕方でしたので何か変だ、と思った。
起き上がって階下に続く襖を開けても、階段の踊り場には匂いがしていない。
おかしい、と思ったとたん階下から母の泣き声とこちらに走ってくる音が。
 「おじいちゃんが、亡くなったって!」
母方の祖父が、十分程前に急死していたのだ。母の声に、私は自然に「知ってたよ」と答えていた。
 
数年前、実家の祖父が亡くなった夜は、多分あれが死臭というものだと思うのですが・・・。
結婚してたので寝室の部屋の襖を開けたとたん、病院の消毒のニオイとあの独特の病室の臭いがした。
旦那に「病院の臭いがする・・・」と言ったけど、旦那には、そんな臭いはしないと言われてしまった。
その数時間後、実家の祖父が入院先の病院で亡くなった、と連絡が入った。
寝室に満ちていた臭いと、何度か見舞った祖父の病室の臭いは同じだった。



51.受験シーズンになると思い出す話

私が高校3年の頃の話。
クラスメートの男の子が東京の大学に行きたい、と下見に行った。
そこで生まれてはじめて地下鉄に乗り、ふと外を見ると、白いコート、長い黒髪をなびかせて地下鉄を追いかけて走る(多分)女性が見えた。
クラスメートは
「あー、東京の人ってすごいなー」
と、しばらく走る女性を眺めていましたが、気がついた。
「俺って、地下鉄のってんじゃん!」
そのとたん、電車は地下を抜け、地上に出て女性の姿も消えた。
東京から帰ってきたクラスメートに、地下鉄の1件を聞いた私達は
「それって、どー考えてもユーレイやんっ!」
と、つっこんだが、彼は「東京の人って、がんばりやさん」だと譲らなかった。

で、今その話を思い出してみたが・・・。彼の見たものは一体なんだったんだろう?
女性というよりも、白い死に装束を着たざんばら髪の人物だったように、私は思えるんですが。



52.終戦後しばらくの話 

祖母から聞いた話。
終戦後しばらくの頃、ある男の人が自転車に乗って実家へ帰ろうとしていた。
しばらくすると、自転車の前を銀色のものが何度となく横切る。
それにつれて、自転車のハンドルが重くなり、がたがたと車体も振動しはじめた。
男が自転車を止め、あたりを見回すと、そこは国鉄の線路の上だった。
慌てて自転車の荷台の重箱をあらためると、お土産の「いなり寿司」の油揚げだけがなくなっていた。

けっこう、この方は狸だ・狐にばかされたって話が多いです。
上の話の男の方は「ありゃー狐だな!」って言ってたそう。
当時、おいなりさんとぼたもちは「大ごっつぉ」(大ごちそう)だったので、けっこうくやしかったそうです。



BACK TOP NEXT→