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23.ちょっとした「予兆」の話

その日、私は体調をひどく崩していた。腹痛に発汗に鼻水、典型的な風邪の症状。
「寝込む前に、コンビニでお昼ご飯を調達せねば」と、力の入らない足で、自転車のペダルを踏みながら、ふっと思ったこと。

「そういえば、コヨーテの話を書いてた時も、体調がめちゃめちゃ悪かったなあ…。もしかしたら、前々から話のあった『恐い話の手紙』が、今日あたり届くかも」
すぐに、「なあんて、な」と、うち消したんだけど。

夕方、布団からのそのそ起き出して夕刊と取りにいくと、郵便受けに一通の手紙が・・・
「ほ…ホントに届いてるよう〜(−▽−;;;」

と言う訳で、今回は友人のHN「かっぱまき」さんからいただいたお話を紹介します。
(注;24話〜27話の文中の「私」は、全てかっぱまきさんのことを示しています)
24.招かれざる客の話

それは10年前の話になります。

当時短大生だった私とMは、正月明けに先輩であるIさん、Kさんの下宿へ一晩泊めていただくことになったのです。夕食を一緒に食べようと、もうひとりの先輩Aさんを呼びに、Iさんは出ていきました。
Kさんは夕食作りのために台所へ立っています。Iさんの部屋で、私とMはくだらない話をしていました。

15分くらい経ったでしょうか?
階下で靴を脱ぐ音がします。ギィ、ギィと階段を踏む音は、確かに二人分。Aさんも来たんだ、と私とMは言いました。(Kさん、Iさんとも二階に下宿しており、二階へは階段がまっすぐついていました)
ところが二つの足音のうち、ひとつがもうひとつを「追い越して」行き、部屋の前で止まります。私とMは一瞬いやーな予感がし、黙り込んだとたん、カラリと戸が開いてIさんが
「Aちゃんねえ、髪を洗ったから寒くて来ないってー」と、笑顔で入ってきます。

青ざめ、黙った私達に気がつくと、Iさんは首をかしげましたが、ちょうどKさんが夕食を運んで来たのでうやむやになりました。食卓に夕食を並べ、箸を取り食べはじめようとした所、Kさんが突然、空を手で払いはじめました。
K「Iちゃん、まーた何か連れて来て! あー、うっとうしい!」
私「…さっき、足音二人分しましたよ……」

Kさんの云う所によると、背広の男が直立不動で食卓の真ん中に立ち、首をがくん、と前に倒しているとのこと。私とMは「うひぃぃぃぃぃー」と思いましたが、夕食はしっかり食べました(見えないから平気)。
結局、この男はKさんが自室へひっぱっていって、「どこか」へお帰り願ったそうです。
25.「招かれざる客」余談

上の話は確かに「うへえ」と「うひい」な話なんですが、このKさんとIさんの下宿のトイレ、「二階であるにもかかわらず」!、二畳程度の広さのところに一段高くしての「落とし穴」トイレだったんです!!
まっくろな空間が…トイレの下に。二階なのになぜポットントイレ?!

こっちの方が恐かったです〜〜(間取りはこちら
26.峠の男の子の話

友達のイトコの話。よく知ってる男の方なんですが。結構珍しい型のクルマに乗ってるんです。
ある時、刑事さんが来て、とある晩のアリバイを聞いて帰ったそうなのです。彼はその夜は残業で仕事場に居たので、その後は警察から何も無かったそうなのですが。

それからしばらく経ってから、T県のある峠でブイブイ友達と言わせてた所(彼は峠を攻めるのが趣味)、車を止めて休憩を取ってると、いつのまにか子供達が自分の車のフロントあたりにしゃがんで、タイヤやバンパーを撫でているのに気がついたそうです。
けっこう夜も遅いので、違うローリングチームの連れて来た子供かと思い注意をしようと近づくと、
「よく似てるけど、お兄ちゃんの車じゃない」
と男の子は言って、どこかへ行ってしまったとか。

おかしいと思い、他の友人にさっきの出来事を話すと、少し前に、この道路(峠)の沿線で、子供がひき逃げに遭い、死んだらしく…。彼の乗っているタイプの車にだけ、男の子が「何かを調べに来る」と、幾人かの人々が云うらしいのです。

男の子が、果たしてひき逃げされて死んだ少年なのかは分からないけれど、ああやって何年も探すのかねえ、自分を殺した車を、と、彼は話しておりました。
27.生霊の話

友人Sさんの話。

Sさんは霊能力は無いのですが、生霊なら見えるタイプのようです。5〜6年前、Sさんの家と表面上は仲良くしてるBさんがいました。でもSさんは、Bさんの笑顔といかにも優しげな態度の裏に、ものすごくみにくくいやらしい表情がだぶって見えていたそうです。

仕事の疲れもあり、体調を崩しかけていたある日、自室のドアを開けると、部屋いっぱいに血走った眼球が。眼球の後ろには、髪の毛のように視神経がついていました。
カッと頭に血がのぼったSさんは
「お前! Bだろう!! いやがらせか!!」
と、怒鳴ると、フッと眼球は消えました。それからも度々Bさんの「眼」が部屋に現れて困る、とSさんから相談を受けた私は、
「なんか南の方が恐いから、植物を置いて」と言いました。
Sさんも、前々から「南からBさんがくるので…」と、何鉢か植物を置くと、とりあえず自室にBさんの「眼」は出なくなりました。

ところで、今でもSさんちはBさんと仲良くしてるのかな?
28.神在月の国の話

以上が、かっぱまきさんのお話です。ありがとうございます(^^)

そういえば、以前Z姐が出雲へ遊びに行ったとき、かっぱまきさん達に観光案内をしてもらったそうですが、その時にもいろいろな話を訊いたそうです。
中でも興味深いのが、知り合いの男の子の話。

彼は、とある神社の息子で、子供のころから境内の掃除が日課だったそうです。その彼、秋のある期間になると、とてもブルーが入るとか。

理由は「仕事が増えるから」
せっかくきれいに掃除をしても、一晩たつと落ち葉や枝が散乱して、また片づけないといけないので、大変なんだそうです。風も無いのに、こういう現象が起きるんだそうですが。
秋のある期間とは「10月」……つまり、出雲地方に日本中の神様が集まる「神在月」のこと。彼の神社は、訪れた神様がその月の間留まっている場所なんだそうです。

神様をお迎えするのって、大変なんですね(^^;

                    ※                    ※

後日、かっぱまきさんから「神在月」についてのお手紙をいただきました。

「神在月(現11月)、神立(かんだち)前日の伝承のお話です。
出雲地方では、神立の前夜に来年一年分の婚儀や作柄・漁の出来を八百万の神が決めた後、酒を酌み交わしの宴会をなさるんですが。その、宴会の夜は、外を出歩いてはならないという言い伝えがあります。
昔は外に便所がある事が多かったので、土間にたるやバケツを置いて、そこで用を足し、その日は早く寝ました。
(私[かっぱまきさん]も小さい頃は日が暮れる前までに用を足し、その日は早く寝かされました)

その理由とは?
『神様がお尻を触るから』

『外で騒いでる神様を見たり、見つかったりすれば病気になる』のが主な理由らしいです。
その神立前夜を境に、寒くなったり『お忌み荒木』といって、雪混じりの雨が降り、風も強かったりするので、外を出歩いたりするのは少し辛い季節になるって事もありますね。



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